2018年10月9日火曜日

「分析のプロセス」について



 分析プロセスの代表的なものに「CRISP-DM」や、「Import, Tidy, Transform, Visualize, and Model 」などが挙げられると思いますが、組織でのマーケティング活動における分析プロセスについて、個人的に重要だと思うステップを紹介します。

  • 分析のプロセス① キーマンの把握
  • 分析のプロセス② 目的設定
  • 分析のプロセス③ データの収集・分析
  • 分析のプロセス④ 分析結果の共有・展開

分析のプロセス① キーマンの把握

 組織活動において、分析結果はその組織の状態を把握し、意思決定をするための情報として活用されます。また、その意思決定は重要な人が一人で決める場面が多くあります。分析レポートを書く立場である場合は、誰がその判断を下すのか?を把握すると、そのキーマンに響くレポートを具体的に意識して書けるようになるでしょう。
 キーマン(例えば会社の社長や、マーケティング部部長)はなんの事前説明もなしに重回帰分析の係数情報やp値を提示するだけで理解できる人・さらに、それを知りた人もいれば、統計解析の結果を出しても理解できない人まで様々です。分析リテラシーの低い人に重回帰分析をした結果を提示しても、「?」で終わってしまうことが目に見えています。
 逆に、分析レポートの内容が良ければ、基本的にレポートの内容に沿った形で、会社の意思決定がなされたり、会社の大きな方針決めの要因になったりします。キーマンの関心に沿った良いレポートを作り、説明&説得できたときの喜びもひとしおです。

分析のプロセス② 目的設定

  目的設定はキーマンの関心ごとに合わせる必要があります。莫大な予算を投下したマーケティングキャンペーンの効果検証をするときにも、単に「キャンペーンの成果」だけを示せればいいのか?「キャンペーンの成果が良くなかったのは既に分かっていて、何が原因で失敗してしまったことを示す」必要があるのか?など、意思決定のキーマンと対話し、どういったことについて分析しなければならないのかを明確にします。
 ここで難しいのは、キーマンは分析のプロではないことが多々であるので、「どんな分析をしたら、キーマンが知りたいことを明らかにできるのか?」は、分析コンサルティング会社に相談したり、自分で考える必要があります。(がんばろー)

分析のプロセス③ データの収集・分析

 キーマンとの目的設定の対話が終了してしまえば、あとは作業です。大規模な組織ではデータの収集に苦労しますが「キーマンがやれっていってるから〜」の一言で、データの収集もスムーズに終了します。分析も目的が明確であればやりやすいです。

分析のプロセス④ 分析結果の共有・展開

 分析結果の共有・展開をする上で気をつけなければならないことは、レポートの品質がある一定以上になってからすることです。具体的には集計値にミスがないこと。集計方法についてレポートに記載すること。が前提です。
 前者ですが、明らかにミスと分かる数値が入っている状態で展開した場合、レポートを書いた人の信頼が落ちます。家にゴキブリを一匹見たら、その家には・・・の法則で、数値ミスが一箇所でもあった場合はそのレポートは信用ならないものと思われますし、信頼を取り戻すのにも相当な労力が必要になります。後者は、例えばユニークユーザーを例に取ると、ブラウザベースなのか、本当に一人の人間ベースなのかで意味も変わってきます。カウントする定義や割り算の数式などは注釈として記載しておくと親切です。


 以上が個人的に大事だと思う分析プロセスです。